もう9月

そろそろ読書の秋が近づいてきた。
たまには世間様の波に乗ってみるのも悪くない。
昨日古本屋(と呼ぶにはあまりにも風情のないあの黄色と青の店。あー、バビロンシステムに加担し続けている)で大量購入した内の一冊、吉本ばななハゴロモ」読了。
現実とファンタジー、現在と過去が交錯する中で心に傷を負った女性が回復していくお話。
基本的に女流作家の本は苦手(おそらく只の固定観念だろうが)なのだけれど、彼女の使う言葉や話の筋はとても魅力的ですんなりと浸透してくる。
読みながら、生きるにあたってどんどん失われていく感覚に思いを馳せた。
適応するために排除しなければいけない感情とか、
本心とは違うものを映すいびつな表情とか、
こんなもんじゃないはずの身体性とか。
大きな宇宙の流れを知覚して浮遊したい。
それはまだまだ先のことだろうしそれを捕まえられるかも定かではないけれど、
心の底ではいつだって保っていたいと思う。